「周りの子が泣いていても、自分には関係ないみたい…」「お友達の気持ちが分からないみたいで心配…」
そんな悩みを持つ保育士の皆さんへ。幼児期は、共感力という大切な心の芽が育つ時期。
この記事では、共感力を育むための具体的な方法を、すぐに実践できる遊びや絵本、ツールなどを交えながらご紹介します。
園での保育に役立つヒントが満載です。子どもたちの豊かな感性を育みましょう！
1. 共感力ってどんな力？幼児期に育む重要性を解説
1-1. 共感力とは？
共感力とは、相手の気持ちを理解し、分かち合う力のこと。
例えば、友達が転んで泣いている時に「大丈夫？」と声をかけたり、悲しい気持ちに寄り添ったりすることができます。
1-2. 幼児期に共感力を育む重要性
幼児期は、自我が芽生え、周りの人とのかかわりを通して社会性を身につけていく大切な時期です。
この時期に共感力を育むことで、
- 良好な人間関係を築けるようになる
- 相手の気持ちを考えられるようになる
- いじめやトラブルを減らすことができる
- 自己肯定感が高まる
など、多くのメリットがあります。
2. 日常生活でできる！共感力を育む声かけと行動
2-1. 気持ちを言葉で表現する
子どもが嬉しい、悲しい、悔しいなどを感じた時に、その気持ちを代弁するのではなく、「〇〇ちゃんは嬉しいんだね」「それは悔しかったね」と言葉で表現してあげましょう。
気持ちを言語化することで、子ども自身の感情を認識する助けになります。
2-2. 共感的な態度を示す
子どもが話している時は、優しく相槌を打ったり、目線を合わせたりして、共感的な態度を示しましょう。
「うんうん」「そうだね」といった言葉かけも有効です。
2-3. 良い行動を具体的に褒める
友達に優しくできた時など、良い行動を具体的に褒めることで、共感的な行動を強化することができます。
「おもちゃを貸してあげて、優しいね」「友達が困っている時に、教えてあげられて偉かったね」など、具体的な行動と共感的な部分を褒めてあげましょう。
3. 共感力を高めるためのアクティビティ
3-1. 共感力を鍛えるための効果的な遊び
- ごっこ遊び: お医者さんやお店屋さんなど、様々な役になりきって遊ぶことで、相手の気持ちを想像する力を養います。
- 絵本の読み聞かせ: 登場人物の気持ちになりきって読み聞かせをすることで、感情移入を促します。
- 気持ちカルタ: 様々な表情のイラストが描かれたカードを使って、感情を認識する練習をします。
3-2. 共感力向上に役立つツールやアプリ
| ツール | 特徴 |
|---|---|
| 共感マップ: | 登場人物の気持ちを書き出すことで、客観的に状況を把握できます。 |
| 感情表現カード: | 様々な感情を表すカードを使って、自分の気持ちや相手の気持ちを表現する練習ができます。 |
| 共感力を育む絵本アプリ: | 絵本を通して、楽しみながら共感力を育むことができます。 |
3-3. 物語を使った共感力トレーニング
絵本や紙芝居などを通して、登場人物の気持ちを想像したり、話し合ったりすることで、共感力を育むことができます。
例えば、「主人公は今どんな気持ちかな？」「どうしてそんな気持ちになったと思う？」と問いかけることで、子どもの思考を促します。
4. 年齢別：共感力を育むおすすめ絵本
年齢別：共感力を育むおすすめ絵本
0〜2歳児向け
- 『いないいないばあ』（松谷 みよ子 作、瀬川 康男 絵、童心社）
- シンプルながらも、喜びや期待感を感じられる定番絵本。いないいないばあの繰り返しが、赤ちゃんの心を掴みます。
- 『くっついた』（三浦 太郎 作、こぐま社）
- 動物たちがくっついていく様子が可愛らしく、スキンシップを通して愛情を感じることができます。
- 『もこもこもこ』（谷川 俊太郎 作、元永 定正 絵、文藝春秋）
- 「もこもこもこ」という擬音語の繰り返しと、温かみのある絵が特徴。安心感を与え、情緒を育むのに役立ちます。
3〜5歳児向け
- 『おともだちをつくるために』（仲良しって いいな シリーズ）（バーバラ・マクリントック 作、アーサー・ビナード 訳、評論社）
- 友達との関わり方や大切さを、動物たちの様子を通して分かりやすく伝えています。
- 『きみのことがだいすき』（サム・マクブラットニ 作、小川 仁央 訳、評論社）
- 親子の愛情をストレートに表現した絵本。愛情を感じ、表現する気持ちを育みます。
- 『どうぞのいす』（香山 美子 作、柿本 幸造 絵、ひさかたチャイルド）
- 思いやりの気持ちや、分かち合うことの喜びを学べる絵本。優しい気持ちと温かい絵に心がほっこりします。
- 『めっきらもっきら どおんどん』（長谷川 摂子 作、降矢 なな 絵、福音館書店）
- 少し怖くて不思議な世界観の中で、主人公の女の子が勇気を出して行動する姿を描いています。子どもの想像力を刺激し、共感力を育むのに最適な一冊。
- 『わたしのワンピース』（にしまき かやこ 作、こぐま社）
- お気に入りのワンピースがどんどん変化していく様子を楽しむ絵本。変化を受け入れ、楽しむ心を育むのに役立ちます。
ポイント:
- 絵本の読み聞かせを通して、登場人物の気持ちについて話し合ったり、子どもの気持ちを代弁したりすることで、共感力を育む効果を高めることができます。
- 子どもの興味関心に合わせて、様々なジャンルの絵本を選んであげましょう。
この他にも、素晴らしい絵本がたくさんあります。ぜひ、図書館や書店で実際に手に取って、お子様に合った絵本を見つけてあげてください。
5. 保護者との連携が重要！
5-1. 家庭での様子を共有する
家庭での子どもの様子を共有し、共感力を育むためにどのような声かけや行動をしているか、保護者と情報交換を行いましょう。
5-2. 共感力を育む絵本を紹介する
保護者に向けて、共感力を育むおすすめの絵本を紹介し、家庭でも読み聞かせを促しましょう。
まとめ
この記事では、幼児期の共感力を育むことの重要性と、具体的な方法について解説しました。
遊びや絵本、日常生活での声かけを通して、子どもたちの豊かな心を育んでいきましょう。
Q&A
Q1: 共感力は生まれつき決まっているのでしょうか？
A1: 共感力は、生まれつきの要素もありますが、環境や経験によって育まれていくものです。幼児期から意識的に働きかけることで、誰でも共感力を高めることができます。
Q2: 共感力がない子どもに対して、どのように接すれば良いですか？
A2: 頭ごなしに叱るのではなく、なぜその行動が良くないのかを丁寧に説明することが大切です。また、共感的な行動を具体的に褒めてあげたり、良い行動モデルを示したりすることで、徐々に共感力を育んでいきましょう。
Q3: 共感力を育む上で、保育士として最も大切なことは何ですか？
A3: 保育士自身が、子どもたち一人ひとりの気持ちに寄り添い、共感的な態度で接することです。子どもたちの気持ちを尊重し、温かく見守る姿勢が、共感力を育む上で最も大切です。
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